BMWのフラグシップクーペとしてM8が発表されました!今までクーペの頂点として君臨していたM6を置き換えるもので、堂々としたそのサイズと迫力、そしてパワーはBMWファンからも歓声をもって受け入れられた印象です。M6が発表されたのは2012年のことなので約7年が経過しておりますが、新しいデザイン言語を採用したM8とはどのような違いがあるのか比べてみたいと思います。
エレガントなM6、スポーツ度全面アピールなM8
まずM8とM6のサイズを比べてみたいと思います。M8は全長が4,867mm、全幅が1,907mm、全高が1,362mm、ホイールベースが2,827mmとなっています。M6は全長が4,898、全幅が1,899mm、全高が1,375mm、ホイールベースが2,851mmと言う数値です。M8に限ったことではありませんが、Z4を始めとして最近のBMWはスポーツ性能をより強化する方向に軸足を移しており、全長は短く、全幅は広く、全高は低く、ホイールベースは短くという定番のトレンドに則った設計となっています。
また、馬力は560馬力から600馬力に向上し、AWDを採用したことで0-100km/hは4.2秒からスーパースポーツ並となる3.2秒まで向上しています。この数値はフェラーリ458イタリアやパガーニ・ゾンダ、ポルシェ911 GT3 RSより優れており、その快適性を考えれば驚きを隠せません。
フロントでは、どちらかというと優しさを感じるM6に比べてM8は攻撃的な印象に変わっており、拡大したキドニーグリルとともに大きく迫力が向上しています。M6では通常の6シリーズと同じだったサイドミラーが、M8ではMシリーズ定番のエアロミラーに改められています。その他ではキドニーグリルやサイドダクトを始めとしてカーボンパーツが占める割合が増えており、只者ではない感を醸し出しつつもエレガントなM6に対してスポーツ性を全面に押し出したM8という印象の違いがあります。
続いてリアですが、こちらもやはりM8ではカーボンパーツの割合が増えており、ブラックアウトされたそのイメージから良い意味でちょい悪な印象です。特に、大きなクワッドエキゾーストが採用されたことで 、ラグジュアリークーペというイメージからスポーツクーペという印象に大きくイメージが変わりました。細く鋭くなったテールライトやサイドダクト風の穴開き加工のあるバンパーもスポーツ性を感じさせます。
続いてサイドですが、こちらはどちらも低く長くというそのサイズを活かした美しいプロポーションです。M8ではリアサイドウィンドウの傾斜がよりキツくなり、フロントからリアにかけるルーフの角度も急となっていて前席優先の設計という印象です。M6のリアシートも広いというわけではないので緊急用という考えであれば良い割り切りと言えるでしょう。
7年の時代を感じるインテリア より豪華でスポーティーなM8
最後にインテリアですがこちらは比べてしまうと流石に時代の流れを感じます。M6も悪いわけではありませんが、M8に比べると豪華さに欠けており機能を詰め込めるだけ詰め込んだという昔のドイツ車らしい漠然としたスイッチレイアウトとデザインです。スポーツ性という意味でもレザーで覆われたシフトレバーやステアリングに装備されたMボタンからM8の方が優れているように見えます。
こうやって比べてみると、エレガントな雰囲気を醸し出しつつどこか只者ではない感のあるM6は「羊の皮をかぶった狼」的な良さがあると思います。対してM8はスポーツ性を全面的に強化するぞ!というBMWの考えを感じさせるもので、今までのどのBMWのモデルより迫力があり、ひと目見てわかるハイパフォーマンスカーという印象を感じます。個人的には趣味性の高い一台になるので、同じ金額を払うとすれば豪華で遥かにスポーティーなM8を購入するかと思います。