BMWをいざ買おうという時に最も悩ませるのが「前期型か後期型か」という問題です。筆者もe92の335iを購入するときには前期型か後期型かかなり迷いました。筆者は結論として後期型を購入しましが、前期型と後期型の違いなど判断の基準となるポイントをいくつか紹介したいと思います。
BMWの前期型は不具合の塊?
筆者が購入したe92 335iを例に上げると、後期型を購入した理由として前期型には高圧燃料ポンプの故障という大きな不具合を抱えているという問題がありました。これは3シリーズの335iだけではなくN54のエンジンを搭載した135iや535iなども同じで、症状が発生してしまうと一声30万円の修理費がかかってきます。
N54エンジンの高圧燃料ポンプはアメリカだとリコール問題になっているようですが、日本ではリコールが実施されておらず、新車保証が残っている状態で壊れてくれれば運がよく、中古車など保証がない状態だと大きな出費となってしまいます。この高圧燃料ポンプは対策品が出回っているという噂もあるものの交換しても同じ不具合が発生したという情報もあり、N54エンジン搭載者のオーナーには非常に恐れられている問題です。
今回は私の愛車でもある335iのエンジンの例を出しましたが、BMWは前期型に電装品など不具合を抱えていることが多く、後期型で改善というパターンがよくあります。
外車の前期型と後期型はほとんど別の車?
私が後期型を購入したもう一つの理由は前期型と後期型で搭載されているエンジン、ミッションが違っていたことです。日本車では中々考えられないことですが、外車ではエンジンやミッションが前期と後期で変わることも少なくなく車購入時の要確認点となるでしょう。
外見でわかる違いとしては灯火類の変更があげられます。これはF30という第6世代(現行型より一つ前)の3シリーズの違いですが、画像でわかるとおり後期型では所謂イカリングと呼ばれるヘッドライト内部の部品がグリルまで伸びるような形状に変更されており、大きな印象の変化を感じられます。
また、テールライトでは内部のファイバーが立体的な形状に改められe型3シリーズクーペと比べてあまり変化のなかったテールライトがf型独特のイメージに変わっています。
最近の車種では、自動ブレーキやアクティブクルーズコントロールを始めとした運転支援システムの搭載やその性能が後期型で変わってくることも多いようです。
前期型のメリットは価格の安さにあり
これまで後期型のメリットばかりあげてきましたが、前期型を購入する最大のメリットはずばり価格の安さにあります。例えば4リーズグランクーペ Mスポーツ(f36)の前期型である435iと後期型である440iの中古車価格を「修復歴なし 5万km以下」という条件で比べてみると前期型が379万円、後期型520万円と最安価格の車で141万円の差が出てきます。
これだけの価格差があると社外品のサスペンションやホイール、タイヤ、エアロパーツなどかなりのカスタムパーツを揃えることも出来ますし、限られた予算であれば前期型を買ってカスタムを進めるという選択も十分ありでしょう。
BMWの前期型と後期型の価格差は?
次に同じ「修復歴なし 5万km以下」という条件でいくつかの車種で調べてみました。
まずは私と同じe92型の3シリーズクーペ 335i Mスポーツでは前期型が支払総額155万円、後期型が244万円という価格となっていました。4シリーズの前期型が中古車市場に流れてきたことで後期型でも相当価格が安くなってきましたね!オーナーとしては悲しいことですが…
続いて、一つ前のf10型の5シリーズ Mスポーツでは前期型が支払総額200万円、後期型が329万円です。やはりクーペよりセダンの方が値下がるスピードが早いようです。
今回は比較的新し目の車でセダン、クーペ、グランクーペと3タイプの車で3車種比べてみましたが、車のタイプに限らず前期型と後期型では100万円前後の価格差があるようです。
限られた予算でBMWを購入する際には、その車種ならではの故障しやすいポイントを把握し、外装や機能などの差に納得できれば前期型、より熟成された車が欲しければ後期型という棲み分けになるかと思います。