N55エンジンの後継として開発されたB58エンジンですが、排気音に限って言えばN55エンジンの方が優れているという声をよく聞きます。3シリーズや4シリーズのトップグレードに搭載されているB58は、N55と比べて燃費とパワーが向上しており、現代のBMWの3L直列6気筒ターボエンジンとして相応しいユニットです。
排気音を比べるときにはマフラーの形状により音質が大きく影響されるため、比較する車種を適切に選ばなければいけません。今回は、全く同じ条件で比較した動画がYoutubeに上がっていたので紹介したいと思います。
荒々しさを感じるN55とジェントルなB58
B58エンジンの一番の特徴としては、1気筒あたりの排気量を500ccとしたことで、3気筒エンジン1.5LのB38や4気筒エンジン2.0LのB48と設計を共通化したことです。また、ガソリンエンジンだけではなくディーゼルエンジンともシリンダーブロックを共通化しており開発スピードや量産コストを下げることのできる今どきのモジュラーエンジンとなっています。
エンジンの中身の話をすると、N55と比べて若干ロングストローク化されており、オープンデッキからクローズドデッキに変更されています。
今回比較として上がっている動画ですが、N55エンジンの方は、2017年式のX4 M40iに搭載されているものです。 X4 M40i に搭載されているエンジンは、M2と同じN55の強化版です。対してB58エンジンの方は2018年式のX3 M40iに搭載されているものです。 X3とX4はご存知の通り兄弟車なためこれ以上ない比較対象となっています。
動画の感想ですが、N55の方は直6独特の滑らかさを感じさせつつ一つ一つの爆発を主張する荒々しさ溢れるエンジンだと感じました。対してB58の方は、スポーツ+モードでさえ極力ジェントルに振る舞うように調教され、あまり主張をしてこないエンジンだと感じます。兄弟車の比較のため、片方だけマフラー音を大きくしたり小さくしたりということはないと推測され、エンジンそのものの排気音の違いといっていいでしょう。
個人的には5や7シリーズなどに乗せるのであればジェントルなB58の方が向いていると思いますが、ドライバーズカーの本質である3シリーズ等に乗せるのであればN55の方が運転する楽しさを感じられて良いのかと思います。