BMWのサスペンション交換はデメリットしかないのか?

BMWでサスペンション交換するのは勿体無い」という声をよく聞きます。BMWの場合ハンドリングを売りにしているだけあって車高調に交換することはメーカーの設計したバランスが崩れるという考えがあっての事でしょう。

確かに一理ある考えですが、その答えが全ての人に当てはまるとは思えません。その理由を自分の愛車であるBMWのサスペンションを交換した経験からお話したいと思います。

BMWの足回りはあくまでも一般受けを狙ったもの

BMWのハンドリングは誰もが認めるものだと思います。制限速度無制限区間のあるアウトバーンや激しいアップダウンや高速コーナーが続くニュルブルクリンクサーキットで鍛えられたその走りは他社の車とは全く別次元の感覚です。

BMWのサスペンションを交換する理由としては「車高を下げたい」という理由が最も多いかと思いますが、ただ単に車高を下げる目的で車高調やダウンサスを選んだ場合であれば車高は下がっても性能をスポイルしてしまうのは製品の特性上間違いないと思います。

しかし、スポーツ性の向上を考えて車高調を選んだ場合はどうでしょうか?公道からサーキットまでをターゲットにしたBILSTEIN B16やKW Version3、OHLINS DFV、サーキットを走るユーザに人気のあるアラゴスタやQUANTUM等優れたサスペンションはいくらでもあります。

BMWの目指しているところはMシリーズのGTSなど一部のモデルを除けばスポーツ性能を高めつつも奥さんや子供を乗せても不満が出ない乗り心地の良さであり、特定のシチュエーションで限界性能を高めるというものではありません。もっと言えば、あくまでメーカーとして多くのユーザーに配慮した設計のサスペンションといえます。

確かに上であげたような社外のサスペンションをインストールすれば人によって乗り心地が悪くなったと感じる人もいるでしょう。しかしこれは当然のことで、ターゲットとしている速度やシチュエーションが異なるためです。その上で、街乗り+α程度のシチュエーションであれば私のe92 335iのMスポーツサスペンションは不満が全くなく非常に優れたサスペンションと言えたでしょう。

箱根や高速走行で不満を感じるMスポーツの足回り

街乗りや+α程度では完璧な仕事をこなしてくれたMスポーツサスペンションでしたが、箱根ターンパイクや200km/hを超える速度で走行性した場合には多くの不満が出てきました。

具体的には箱根ターンパイクの高速コーナーでは足回りが非常に頼りなく、その柔らかさからタイヤの接地感が非常に希薄になります。また、コーナー出口ではトラクションがかかりづらくアクセルペダルを踏み込むことに恐怖を覚えました。サーキット等の高速走行では200km/hを超えたあたりから路面からの衝撃の収まりが悪く、走れと言われれば走れるもののフワフワ感のあるもので安心して走れるというものではありませんでした。

KW ST XTA車高調で高速走行時も安定感のある走りへ

Mスポーツサスペンションに不満を感じた私はKWの廉価ブランドであるST XTAの導入を決めました。街乗りと峠道などを半々程度に重視する私のシチュエーションですが、結果は大成功でほんの僅かな乗り心地を犠牲に上記の問題はすべて解決しました。乗り心地と走りの両立を達成したと言って良いでしょう。

ST XTAについては別の機会に記事にしたいと思いますが、きちんと目的にあったサスペンションに変更することで自分にぴったりと合った足回りを手に入れることができます。これはスポーティさを高めるという面だけではなく、乗り心地を高めるという面においても同様な事です。

メーカーがレースで公道用のサスペンションを使用しないように走り方や走るシチュエーションによってその人にあったサスペンションは千差万別です。きちんと調べた上でサスペンションを交換することはデメリットどころかメリットしかありません。

また、社外のサスペンションに交換するもう一つのメリットは、自分の求める特性に合わせた上でダンパーの動きを固くしたり柔らかくしたりと調整可能な作りになっている点です。この調整を間違えると走行性能が下がったり乗り心地が悪くなったりすることにも繋がりますが、信頼できるショップに出会えることが一つの鍵かなと思います。

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